Code One Jet 優良機 2016 9 25

書名 JWings Jウイング 11月号 イカロス出版
    日本初装備のステルス戦闘機F-35が完成

 ステルス戦闘機F-35には、3種類あります。
F-35A(空軍用)、F-35B(海兵隊用)、F-35C(海軍用)になります。
 今年の8月、アメリカのテキサス州にある、
ロッキードマーチン社の工場で完成して、
初飛行した日本向けのF-35の1号機は、
F-35A(AX-1)となります。
 AX-1からAX-4までは、
テキサス州の工場で製造され、
AX-5からは、三菱重工の小牧南工場で組み立てられます。
 この雑誌によると、
日本で最初に見ることができるF-35は、AX-5になる見込みだそうです。
 AX-1からAX-4までは、完成後、
アリゾナ州の空軍基地に送られて、
そこで、航空自衛隊のパイロットが飛行訓練を行うことになります。
 さて、F-35は、ステルス戦闘機なので、
日本の空の防衛の概念を変えることになります。
 ステルス戦闘機の基本は、
敵に気づかれることなく、
遠距離から「視程外射程のミサイル」を発射して決着をつけるというものです。
つまり、接近戦闘に入るのを避けるのが、ステルス戦闘機の基本です。
世界の趨勢も、「視程外射程のミサイル」が主流となっていくでしょう。
 そういうわけで、F-35は、F-15のように「接近した空中戦」を想定していないかもしれません。
あるいは、近距離まで接近して、未確認飛行機を威嚇するのも不向きかもしれません。
 そのうえ、F-35は、戦闘爆撃機なので、
爆撃の性能は、優れたものになっていくでしょう。
 そうなると、日本の国防指針の「専守防衛」と矛盾するかもしれません。
もちろん、F-35に、「視程内射程のミサイル」を装着すればよいのですが、
これは、ミサイルの「外付け」となりますので、
ステルス性能が低下してしまいます。
 そこで、日本では、国産のステルス戦闘機「心神」の開発が進んでいて、
「心神」が、優れた「接近した空中戦」性能を発揮すれば、
専守防衛という指針にも合致していきますが、遠大な話です。
そもそも、ステルス戦闘機の登場によって、専守防衛という概念は時代遅れになったでしょう。
 ところで、F-35の特徴は、データリンクです。
あらゆる軍事的資源とデータリンクして運用されることになるでしょう。
 つまり、F-35は、コンピューターネットワークが空を飛んでいるようなものです。
あるいは、コンピューターの手足が空を飛ぶようになったとも言えるでしょう。
そういうわけで、軍事のコンピューターネットワークの整備が非常に重要となります。

専守防衛とは 2012 11 4

 時々、一般の方から、
専守防衛とは、どういうものかと聞かれます。
そこで、わかりやすいように、Q&Aで、まとめました。
Q「専守防衛とは、軍事的には、どういうものですか」
A「このような戦法は、軍事的には、
 重装備の軍事力でなければ成り立たない戦法です」
Q「なぜ、重装備の軍事力が必要になってしまうのですか」
A「この戦法は、相手国に、
 『この国に攻め込んでも損をする』と思わせなければなりませんから、
 どうしても、自国の防衛は重装備になります」
Q「ちょっと待ってください。
 日本は、よく専守防衛と言いますが、軽装備ではありませんか」
A「日本の場合は、日米安全保障条約がありますから、
 自衛隊と米軍をあわせれば、重装備と言えるでしょう」
Q「そのほかに、専守防衛で、何かありますか」
A「専守防衛という戦法は、国民にとって、残酷な戦法と言えるかもしれません」
Q「どうして残酷だと言えるのですか」
A「専守防衛は、簡単に言ってしまえば、
 相手国から攻撃があって初めて、その対処に動くということです。
 ということは、国民に多数の死傷者が出てから、自衛隊は動くということです。
 たとえ、『相手国が攻撃してきそうだから』と言って、先制攻撃はできません。
 そういう意味でも、相手国に、
 『この国に攻め込んでも損をする』と思わせるような軍事力が必要です」
(補足説明)
 専守防衛で、わかりやすい説明として、
永世中立国のスイスを考えれば、よくわかるでしょう。
 スイスは、皆兵制を採用しています。
各家庭には、自動小銃が貸与されています。
 これは、国境の封鎖に失敗した場合は、
国民全員が、銃を持って戦うということです。
 もちろん、スイスは、国土そのものが要塞化しています。
山をくりぬいて、軍事基地を建設したり、
国境近くの橋やトンネルには、爆薬を差し込む穴が開いています。
これは、有事の際に、橋やトンネルを爆破して、国境を封鎖するためです。
 これで、専守防衛という戦法が、よくわかったでしょう。
誰もが「スイスのような国に攻め込んでも損をする」と思うでしょう。


































































































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